2019-01-01から1年間の記事一覧
破執分第二中破外道品第二 相続して渡らざるが故に。相続するが故に断にあらず。渡らざるが故に常にあらず。 この義を以っての故に一にあらず異にあらずして断常の見を滅ぼすなり。世間に随うが故に亦一異を説く。 また次に汝、能量、所量の二法成就すれば、…
破執分第二中破外道品第二 また次に、自性各々自ら同じからずして相い壊れるが故に。 譬えば事を作すに後に事成し終われば、前の事即ち壊れるが如し。火の水の為に滅するが如し。 若し一切の法に各自性有らば何ぞ能く相い滅するや。 汝、若し自性無ければ即…
破執分第二中破外道品第二 汝の説く証量いかにも成ずるは、この義然らず。何を以っての故に。 今我が立てる証量、二空を顕了するは諸法空の故に自性不可得にして、幻事、幻物は証量を見るが如くなり。 實有の如くにあらざる諸法を見ることも亦爾り。見る所の…
破執分第二中破外道品第二 また次に破僧去の義を應に知るべし。 内に曰く。汝の義に云えるに、聲に自性有りて自性異ならざるが故にとは、この義然らず。何を以っての故に。 若し聲に自性有らば即ち聲應に耳の為の本なるが故に。 聲これ耳、耳即ちこれ聲と説…
破執分第二中破外道品第二 また次に倒の義の成ずるを得るとは、 汝、一の能く多を生ずると謂わば、我も亦多の能く一を生ずると言うなり。汝もし多の能く一を生ずるを信ぜざれば、我も亦一の能く多を生ずるを信ぜざるなり。 また次ぎに汝の義の本壊れるが故に…
破執分第二中破外道品第二 若し多くの人共に聞かば、即ち因果一体を得ざるを知るなり。 汝、多くの果有るは即ち多くの因より随い而も取りて生ずること、人の田中に種を散じるが如くに、人と田これ一にして而も種子衆多なれば生ずる芽等、亦少なからずして、…
歯執分第二中破外道品第二 また次に汝の難、即ち証と量の相違することにして、諸法に実の性無ければ即ち能所皆不可得にして、声の耳に至らず、耳の声を得るにあらざること、我現に耳と声の相対するを見るゆえに聞くを得れば、故に空にあらざることを知るとい…
破執分第二中破外道品第二 次に同類の因果の相い望むに約す。 自他を論ずるは、本、因と為る種子に由りて、能く芽の果を生ずれば、芽は必ず因に由るが故に名づけて果と為し、種は必ず果を生ずるが故に因と名づけるを得るなり。 この因と果、一と為るや異と為…
破執分第二中破外道品第二 一切處の諸法 自らより生ずるを得ず 他よりも二も亦爾り 無因よりも亦然り 初めに一切處の諸法と言うは、明處に三有るなり。 一つには四生處に約す。謂わく、三界の生處及び無流界の生處にて此の四に一切の内外の處を摂し盡す。四…
破執分第二中破外道品第二 又汝の説かく。 汝亦空と言うもこの故に一切の諸法不空なりと。なれど是の義然らず。何を以っての故に。 かくの如くの語言諸法を摂して入るが故に、語言も亦空なり。故に知る。諸法皆空なることを。 汝、語言聞くべきが故に空にあ…
破執分第二中破外道品第二 汝の説く瓶等の諸物更に互いに各々異なれば、瓶の衣等と異なること、この義然らず。何を以っての故に。 瓶と色等、即ち自性と為るや、自性を離れると為るや。 若し定んで即ち離るれば、義皆なるべからず。 若し一ならば即ち應に八…
破執分第二中破外道品第二 現に見る火の性定んで熱なれば水と為るべからず。 水の性定んで湿なれば火と為るべからず。 涅槃・生死も亦またかくの如く、互いの相を転じて為るべからざること、此の二法のごとき並びに自性有るが故に。 若し互いに転ぜらるれば…
破執分第二中破小乗執品第一 問うて曰く。 若し爾らば如何が佛、性に住せざる衆生の永く般涅槃せざるを説くや。 答て曰く。 大乗を憎み背くは是れ一闡提の因なれば、衆生をして此の因を捨てさせしめんが為の故に。 一闡提の因に随えば長時の中に滅せざる、こ…
破執分第二中破小乗執品第一 この故に我、此の性の亦また定まらざること、因に由らざるが故にこの義當に成ずべしと説くなり。 汝、定めて等しく共に無因と説くが如きは、爾らば非理の事も並んで當に成ずることを得るべし。 二つには、不平等の過失あり。 人…
若し汝、今世に善根を修すると雖も終に転ずるを得ずと謂わば、未来に方に転ずるが故に下性に住すと名づける者の此の性、未来の中に善を修するが故に転ずると為すや、修せざるが故に転ずると為すや。 若し修するが故に転ずれば、今の修何故に転ぜざるや。 若…
破執分第二中破小乗執品第一 又問う。 汝、無佛性の衆生を立てるも始終定まること無ければ、為に定めて無とならざること譬えば大地の如し。 始め金性無くも後時に或いは有り、或いは已に更に無し。 汝の立てる無佛性も亦かくの如くならざるや。 若し、かくの…
破執分第二中破小乗執品第一 問うて曰く。汝、佛性無き衆生の有りと説くは、刹底利種の如く、具に四性有りと為すや。及び地獄・人・天等の性、具に有らざると為すや。 若し具に有らざると言わば、人當に永く諸道義を作ること無ければ、常に人なるべし。 若し…
佛性論破執分第二中破小乗執品第一 難じて曰く。若し汝、我の無根の衆生を立てるに二の過失有りと謂わば、汝の立てる重犯の永く涅槃を得ざる佛性有ること無き一闡提人にも亦二の過失有るなり。 一つは大いなる過失にて、衆生本より我見・無明を以って凡夫の…
佛性論破執分第二中破小乗執品第一 問うて曰く。汝、衆生に種々の麁・妙等の界有ることを信じれば即ち、無性の衆生の有ることを信じしめ、亦當に無根の衆生あるべきことを信じしめるべしや。 何を以っての故に。 衆生、有根・無根に由るが故に種々の麁・妙等…
破執分第二中破小乗執品第一 然る所以は、経に説くが如く、性に住せざる衆生有りて永く般涅槃無きが故にと。 また阿含に説かく。佛の十力中の性力の照らす所、衆生の境界に種々の性有りて、乃至麁・妙等の界同じからざるが故に性力と称えん。 所以は如何。一…
破執分第二中破小乗執品第一 然る所以は、経に説くが如く、性に住せざる衆生有りて永く般涅槃無きが故にと。 また阿含に説かく。佛の十力中の性力の照らす所、衆生の境界に種々の性有りて、乃至麁・妙等の界同じからざるが故に性力と称えん。 所以は如何。一…
破執分第二中破小乗執品第一 また次に佛性の有る無し、當に「破立義」を成ずることを知るべし。 「破」に三種有るなり。一つには小乗の執を破る。二つには外道の執を破る。三つには菩薩の執を破る。 初めの小乗の執を破るとは、佛、小乗の人の為に性に住せざ…
縁起分第一 五つ 我執を離れるとは 若し虚妄の過失を見ざれば、真実の功徳、衆生の中に於いて大悲を起さず。佛の説く佛性を聞くに由るが故に、虚妄の過失を知れば真実の功徳、即ち衆生の中に於いて大悲心を起す。 彼此有ること無きが故に我執を除かん。 此の…
縁起分第一 二つめの是客とは 有為の諸法、皆念々に滅すれば停住の義無し。即ち罵り罵らるの二の有ること無し。 但し、初刹那に舊(旧)となり、次刹那に客となれば、罵り罵らるの起き而も即ち謝す。 是れ即ち初刹那は是れ怨なれども、客の中に作るを以って…
三つには 虚妄の執を離れんが為の故にとは、若し人に此の慢心有らば、即ち如理、如量に於いて正智の生じ顕れること得ざるが故に、虚妄の起こるなり。 虚妄とは是れ衆生の過失にて、過失に二有るなり。一つには本無。二つには是客。 本無とは、如理の中の如し…
佛性論巻第一 縁起分第一 問うて曰く。佛、何なる因縁にて佛性を説くや。 答て曰く。如来、五種の過失を除かんが為に、五功徳を生ぜんが為の故に、一切衆生悉く佛性有りと説くなり。 五種の過失を除くとは 一つには衆生をして下劣の心を離れしめんが為の故に…